Chapter:01
「presence of love -愛の存在-」


Rubyの元に一通の手紙が届いた。

それは懐かしい恋人からの手紙。

胸が張り裂けるような別れの記憶が頭をかすめ、
心がざわめく。

そこに書かれていたのは、
純粋に彼女の誕生日を祝う気持ちだった。

時が止まったまま、昔の自分が投影されたような
言葉たちに恥ずかしくなる。

あの頃は皮を剥いた果実のように甘く、
雑味のないときめきだけが宝物だった。

作り物の宝石は、時が経つにつれ輝きを失い、
必死に磨いて輝かせようとすればするほど朽ちていった。

未熟で、歪で、痛々しい時間。

さみしさが指先まで滲んでいた感覚を思い出して、
何かがおかしかったと気づいた。

衝動にまかせた子供じみた恋。

“今の彼が元気でいてくれてよかった” 

手紙を受け取ったRubyは心からそう思った。

その瞬間、毎日会っていたあの時よりも
彼のことを上手に愛せていることに気がついた。


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