Chapter:01
「Wake up, my courage!」
いつか、きっと猫を飼って
いつか、きっと海外に住んで・・・
いつか、いつか、
きっと、きっと、
漠然とそんなふうに思っていたけれど、それって結局いつだっけ?
お気に入りの公園
あたたかい日差しを浴びながら
ペラペラと小説をめくっていた午後
買ったばかりの紅茶を一口飲んだその瞬間
わたしの運命が飛び起きた!
それは、深い眠りの中で目覚まし時計が鳴り響くように
いつか必ず、猫を飼って
いつか必ず、海外に住むならば
こうしてはいられない
「今、変わらなくちゃ」とわたしの運命が言っていた
Chapter:02
「Let's FLY AWAY」
飛び乗った飛行機 日常からはるか遠い場所へ
窓ガラス越しの雲がまるで触れそう・・・
わたし、いま、飛んでいる
静かな機内のなか 思考は進む
遠い未来を想像すると足はすくんで
誰かに誘われるのをずっと待っていた
だけど、思い立ってしまえばいとも簡単に
自分で用意したチケットで、この座席に座っていた
辿りついた異国の地
初めて感じる太陽の角度や 見たことのない高い木々たち
おおきな犬が電車に乗って、のびのびと人間みたいに移動している
この世界に決まりごとなんてなかった
わたしはこの足で
世界の秘密を紐解いていく
Chapter:03
「 I’m back to daily life ☁️」
玄関をあけると、しらない匂いがした。
通り過ぎた時間が、この部屋を成長させたみたい。
“Rabbit hole Souvenir shop”と斜体でロゴが押された紙袋のなか、マンダリンの香りにつつまれたお土産たち。
ひとつひとつにほどきしながら、わたしは記憶と対話する。
熱気を帯びたうさぎの人形。
夜の22:00になっても照りつける太陽。
売店の老婆の笑顔。
些細な出来事が輝いて、いまではもう幻のよう。
しあわせはしずかで、その瞬間に気付けない。
もっと抱きしめてあげればよかった。
部屋の窓に差し込む夕日の角度が変わっていく。
いまこの瞬間に胸がきゅっと苦しくなった。